データからみる外食産業 [2020年6月]概況

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■ 2020年06月市場動向調査(令和2年7月27日発表)

 
  <外食市場6月の動向>
自粛解除で回復傾向の兆しも、飲酒業態を中心に依然厳しい状況

 

<全体概況>  
 6月は、東京アラートの解除、全国的な県外移動自粛の解除に伴い、飲食店の営業時間制限も撤廃されたことから、店内飲食の客足が戻り始め、客数は底打ちの傾向が強まってきた。しかし、郊外・地方立地や食事主体業態で回復の兆しが比較的早く見えてきた一方で、都心部・繁華街立地、飲酒業態などは回復が遅れるなど、業態によって大きな差がみられ、外食全体の売上は前年を大きく下回る78.1%となった。特に「居酒屋・パブレストラン」の売上は前年の4割に届かず、依然として壊滅的な状況が続いている

<業態別概況> 
■ファーストフード業態
FFは、店内飲食が回復する一方、4月・5月の売り上げを支えてきたテイクアウト・デリバリー需要の一部が他業態に流れていき、全体売上は88.2%となった
「洋風」は、店内飲食が戻り、キャンペーンなどの奏功で好調なところもあったが、持ち帰りの特需が一服したことで、5月の好調を維持できず、売上96.1%となった。「和風」は、持ち帰り需要の一服で緩やかな回復にとどまり、売上は86.8%。「麺類」は、商業施設立地店の回復がやや遅く、売上63.5%。「持ち帰り米飯・回転寿司」は、回転寿司などで店内飲食の回復が顕著で、持ち帰り需要は一服したものの売上は93.1%。「その他」は、86.9%となった

■ファミリーレストラン業態
FRは、他業態と比べれば店内飲食の戻りが早く、引き続きテイクアウトにも力を入れた結果、全体売上は73.5%にまで回復した
「洋風」「和風」は、徐々に客足が戻り、売上はそれぞれ67.9%、68.2%。テイクアウト・デリバリーの強化で比較的堅調だった「中華」は、引き続き回復傾向で、売上87.2%。「焼肉」は、自粛解除後のファミリー層などの外食需要の受け皿となり、売上は急速に回復、88.7%となった

■パブ・居酒屋業態
飲酒業態は、多くの店で営業再開を始めたものの、コロナ禍で法人需要が見込めず、個人客についても主力の繁華街立地での戻りが悪い中、一部では集客の見込めない店舗の休業・閉店を予定しており、「パブ・ビアホール」は売上34.2%、「居酒屋」は41.5%と、3月の売上急降下以来壊滅的な状況が続いている

■ディナーレストラン業態
ディナーレストランも、「パブレストラン・居酒屋」と同様に厳しい状況が続いており、一部では高価格帯の弁当が好評で売上を下支えしたものの、法人需要や繁華街での集客が見込めない中、売上は57.0%となった

■喫茶業態 
多くの店が営業を再開したものの、土日は休業する店舗、ビジネス街立地で集客不振の店舗があり、売上は62.0%となった
 
 
 
 
 

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