食の信頼向上への取り組み

食の安全性、信頼性の確保は、外食産業の重要な柱の一つ。
食中毒の防止はもちろん、食品表示などをめぐるコンプライアンスの問題も、
店舗や企業のブランド価値を左右する重要事です。
JFでは、会員各社へ向けた情報提供や啓蒙活動、そして社会への提言を積極的に行っています。

 

協会(JF)のメニュー表示への自主的取り組み

JFは昭和52年(1977年)、全米レストラン協会(NRA)のメニュー表示への自主的取り組みを会報誌「ジェフマンスリー」等で紹介し、正確な情報の記載がいかに重要であるか会員各社に訴え続けてきました。

平成17年7月、消費者の要望に応えて、外食事業者が自主的に原産地表示を行うための指針として、 「外食の原産地表示ガイドライン」(概要本文PDF

を策定し、同ガイドラインに沿った原産地表示の実施を推進しています。



<関連参考資料>
あなたのお店でもはじめませんか 外食の原産地表示
[農林水産省/(財)外食産業総合調査研究センター 2007年11月発行]


 

O-157食中毒防止対策

腸管出血性大腸菌O-157は、
その感染力の強さや生命に関わる毒性については、もちろん充分な警戒が必要ですが、
その反面、適正な対応をすれば安全性が確保できることも事実です。
JFでは、食材の仕入れから調理、提供にいたる各工程を網羅したO-157発生防止のガイドラインを作成し、会員各社の安全の質向上に貢献しています。

O-157食中毒発生防止のための当協会ガイドライン(概要)

O-157食中毒発生防止のための当協会ガイドライン(概要)

詳しくは、JFマンスリー2009年12月号へPDF

セミナー・専門講座等の開催

食の信頼向上への取り組みのひとつとして、以下のようなセミナーも開催しています。


◆食中毒予防対策セミナー

食中毒事故のリスクが高まる梅雨期を中心に、毎年開講。食中毒予防への意識を高め、衛生管理の歴史から現状認識、また店舗における具体的な管理のノウハウ(整理・整頓・清掃・清潔・躾の「5S」など)を実践的に学びます。

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食品表示とコンプライアンス

 

平成19年(2007年)、消費者の食に対する信頼が大きく脅かされる事態が連続しました。「食」全体の信頼を取り戻すためにも、食材調達や加工に関する情報を提供するなど、適切かつ丁寧な対応が重要と考えました。

 
我々外食産業が消費者から確固たる信頼を得るために、協会では、平成20年6月に、「外食産業の信頼性向上のための自主行動計画」を策定しました。
詳しくはJFマンスリー2008年5月号に掲載PDF
 
 

「外食産業の信頼性向上のための自主行動計画」策定にあたり、食の信頼維持のためには、ルールや法律に対する理解も不可欠です。平成20年(2008年)当時、農林水産省「食品表示110番」に寄せられる相談件数は増加し、協会会員企業が調査や処分の対象になるケースもありました。コンプライアンスの問題に関して、私たちはどのように対応すべきか、監督官庁である農水省のお二人にお話をうかがいました。(JFマンスリー2008年1・2月号に掲載


 

 

BSE問題について

2001年9月、英国や欧州で猛威を振るっていたBSE(牛海綿状脳症)が日本でも発生しました。行政側の初期対応の遅れなどから「牛肉は危ない」という風評被害が広がり、外食産業の業績にも大きく影響。回復には2年近くの期間を要しました。
JFは報道当初から迅速に行動を起こし、牛肉の安全性の確立や消費回復、外食企業の経営安定へ向けて多くの取り組みを行いました。

これまでの取り組み

BSE発生から1カ月間

[会員企業へのサポート]
BSE発生当日である9月10日、各会員企業宛に第一報をFAXにて一斉送付。その後も時を移さず、お客様からの問合せ対応に関するアドバイスの実施、緊急対策セミナーの開催、「牛肉は安全です」ステッカーの配布、融資制度の告知など、多岐に渡るサポートを行いました。

  • 店頭表示用ステッカー
  • 店頭表示用ステッカー

[行政、マスコミへの働きかけ]
発生翌日、農水省および自民党議員に対して「BSE報道についての要望書」を提出するとともに、行政側からの迅速で正しい情報の開示を要請。その後も与野党の主要議員と懇談会を開くなど、事件の影響抑止へのさまざまな努力を行いました。

  • [行政、マスコミへの働きかけ]

ステーキ無料試食会を開催

同年11月に開催された「食の祭典・2001ジャパンフードサービスショー」では、国産をはじめニュージーランド、オーストラリア、アメリカの
各国産の牛肉ステーキを来場者に無料提供。現在流通している牛肉の安全性を改めてアピールしました。

  • 2001ジャパンフードサービスショーにて
  • 2001ジャパンフードサービスショーにて

BSE対策実行特別委員会を発足

2001年12月、主に牛肉メニューを取り扱う協会会員企業41社により緊急懇談会を開催。さらに翌年1月には「BSE対策実行特別委員会」を発足し、協会のとるべき行動や今後の方向性などの議論、検討を進めました。

焼肉消費拡大キャンペーン

BSE国内発生の翌年である2002年1月からは、当協会と全国焼肉協会の共催によるキャンペーンを開始。来店客に抽選で、食事券や和牛産地と温泉を巡る旅行券などをプレゼントするもので、全国の主要紙や店頭において広告宣伝を大規模に展開しました。

新メニュー開発セミナー

当協会の食材開発・農業問題委員会により、2002年1月に開催。外食店舗に対し、牛肉を使った新メニューのアイディアと調理技術の提供を行いました。

  • 新メニュー開発セミナー

学校給食への働きかけ

全国の学校給食で広がった牛肉メニュー中止の動きに対し、各地域の会員企業とともに、学校や教育関係部署への働きかけを実施。
牛肉メニューの安全性とおいしさのPRに努め、その後の消費回復に結びつけました。

債務保証事業

経済的な影響を強く受けた中堅の外食企業に対し、運転資金の融通を支援する債務保証基金が造成され、当協会が実施主体となって2002年3月から事業開始。これにより、総枠90億円の融資が可能になりました。

その他

「BSE緊急措置法」成立を求める署名運動や国民集会への参加呼びかけなど、業界を挙げて対策を講じました。

BSE全頭検査の問題

BSE対して、国が安全確保の柱としたのが「全頭検査」でした。しかしこれに対しては、実効性の見地から多くの問題が指摘されています。
当協会では専門家やメディアとの情報交換を通して議論を深め、より適切な形で食の安全を確保することを提言しています。

国際獣疫事務局(OIE)名誉顧問 小澤義博氏

日本のBSE全頭検査で使われた手法は、欧州で開発された「迅速テスト」と呼ばれ、EUではBSEの疫学的動向を把握するために、一定頭数に対して行われていました。この方法では異常プリオンの量が少ないと検出できず、若い感染牛の多くが陰性と診断されます。
その後の研究では、感染牛の20%しか検出できないこともわかっています。それを日本では「牛肉の安全対策」と位置づけたことに問題があります。
欧州の場合、食肉の安全対策は、特定危険部位の除去を主体に行われています。こうした国際基準の存在と検査の目的について、消費者の正しい理解を促す必要があるでしょう。

  • 小澤義博氏
  • 小澤義博氏

食の信頼向上をめざす会会長(現 (公財)食の安全・安心財団理事長) 唐木英明氏

2005年、政府は20カ月齢以下の牛に対するBSE検査は不要と決定。にも関わらず、その後3年にわたってBSE検査の国庫補助を続け、その期限が切れた後も各地の自治体は独自予算で全頭検査を続けています。
「めざす会」では全都道府県知事あてにアンケートを実施し、検査を続ける理由を調査。その結果、「消費者が求めているから」が理由の第1位を占め、「他の自治体と異なった判断をするのは難しい」「安全確保のため必要」などの理由も多く見られました。
しかしその一方で、市民への周知活動はほとんど行われておらず、消費者が本当に全頭検査を求めているのか疑問が残ります。自治体は積極的な説明を避け、風向きが変わるのを待っているように見受けられます。

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