データからみる外食産業 [2012年8月]概況

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■ 2012年08月市場動向調査(平成24年9月25日発表)

 
8月度の概況
<外食市場8月の動向>

 暑さがおおむね幸いし客足堅調、売上高は前年を上回る

<全体概況>

 8月は、特に北日本と東日本で暑い晴天日が多く、「節電」や「震災後のイベント自粛(花火・お祭り)」の影響で客足が伸び悩んだ昨年より一転、涼を求めて全体の客数(対前年比103.6%)が伸び、売上高(同102.3%)も  2ヵ月ぶりに前年を上回った。月前半にはオリンピック開催で「外食控え」の影響を受けた店舗もあったが、月全体では特に暑気払いのビヤガーデンやアイスクリーム等が好調であった。また、土日を加えた「お盆期間」が昨年より長かったことも地方立地の店舗にプラス要因となった。一方、西日本では台風や局地的ゲリラ豪雨で晴天日が減り、客足の鈍った店舗もみられた。

 

<業態別概況>

■ファーストフード業態
・ 全体売上高は前年を2.3ポイント上回った。業種別では、洋風は新メニュー、販促クーポン、冷たい飲料の値引き等で客数を伸ばしたが、客単価が低下し、売上高はほぼ前年並みの99.6%となった。
・ 和風は、値引きキャンペーン等で伸びた昨年の客数には及ばなかった店舗もあるが、全体的に価格が高めの季節メニュー・新メニューが客単価上昇を牽引し、売上高は3.1ポイント増加した。麺類は出店効果等で売上高109.9%と引き続き好調。持ち帰り米飯・回転寿司は、価格均一キャンペーン等により客単価が若干下がったものの、客数が伸びて売上高は101.3%となった。その他は、晴天と気温上昇でアイスクリームが好調、売上高は9.6ポイントも前年を上回った。
 

■ファミリーレストラン業態
 すべての業種で売上高が前年を上回り、業態全体では2.6ポイント増となった。気温が昨年より高く、料飲を中心に需要が増えたことに加え、昨年より長いお盆期間の需要が特に地方で伸びた。焼き肉は店舗の整理統合で店舗数は昨年の96.0%に減少したが、客数は大きく前年を上回り、売上高も114.8%と回復している。


■パブ・居酒屋業態

 全体売上高は前年と同レベルにまで回復した。特にパブ・ビヤホールでは、猛暑と好天が続いたことでビヤガーデンが売り上げを牽引し、売上高は前年比107.9%となった。居酒屋は一部店舗で五輪開催等の影響もあり、売上高は98.7%であったが、新メニューや新規出店で回復の兆しが見えはじめた。

■ディナーレストラン業態

 お盆期間の需要増が売り上げを押し上げ、全体売上高は前年を6.6ポイント上回った。昨年は牛肉の放射性セシウム汚染が大きく取り上げられ、和牛を扱う店舗の売り上げに影響したが、今夏はその影響はない。

■喫茶業態
 例年以上の暑さで季節メニュー等の料飲需要が多くなり、また、前月に引き続き時間帯別のセットメニューや新商品の投入等で顧客の支持を得たことで、売上高は前年比102.2%となった。


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